東京の地下鉄路線図をながめていて、A・I・S・Eという文字がついた路線と、それ以外の路線があることに気づいたことはありませんか。その4路線こそが都営地下鉄です。では都営地下鉄とはいったい何なのでしょうか。ひとことで言えば、東京都みずからが運行する4つの地下鉄路線のこと。規模の大きい民間企業・東京メトロと肩を並べて走る、公営の地下鉄です。都営とは何か、どんな路線があり、空港とどうつながっているのかを知れば、東京の移動はぐっとわかりやすくなります。
都営地下鉄とは何か
都営地下鉄(都営地下鉄)を運行するのは、東京都の交通部門である東京都交通局です。つまり東京都が運営する「公営」の地下鉄で、これが「都営」という言葉そのものの意味です。だからこそ、9路線を運行する民間の東京メトロとはまったく別の会社ということになります。両者は駅や路線図を共有していても、きっぷは別々に売られています。だから東京の地下鉄をひとまとめにせず、都営という一つのネットワークとして理解しておく価値があるのです。
都営地下鉄の4路線
都営地下鉄は、ちょうど4路線を運行しています。それぞれに文字とシンボルカラーが割り当てられています。
- 浅草線(A・ローズレッド)——1960年に開業した都営で最初の路線で、4路線のなかで最も古い路線です。
- 三田線(I・ブルー)——目黒から都心部を貫く南北方向の路線です。
- 新宿線(S・リーフグリーン)——都心から西へ、郊外方面へと延びる路線です。
- 大江戸線(E・マゼンタ)——「6の字」を描く深い環状路線で、東京で最も深く、そして最も新しい部類の地下鉄です。
このA・I・S・Eという4文字さえ覚えておけば、どの駅の案内表示を見てもすぐに都営線だとわかります。ほかの地下鉄はすべて東京メトロだからです。
浅草線がつなぐ空港アクセス
多くの旅行者が、都営だと気づかないまま使っているのが浅草線です。直通運転——列車がそのまま他社の線路へ乗り入れる仕組み——によって、浅草線は成田空港(成田)方面の京成電鉄や、羽田空港(羽田)方面の京急電鉄とつながっています。つまり、一方の空港から都心を抜けてもう一方の空港へと、浅草線を共有する列車で乗り継いでいけるのです。しかもネットワークが切り替わったとはほとんど感じられません。東京へ飛行機で到着する人にとって、この都営の一路線が、じつは大きな役割を静かに担っています。
深く、環状に走る大江戸線
大江戸線は特別に触れておく価値があります。2000年に開業した東京でもっとも新しい部類の地下鉄で、既存のすべての路線の下をくぐる必要があったため、東京でもっとも深い地下鉄でもあります。ホームが地下数十メートルにあることも珍しくありません。路線は独特の「6の字」を描き、都心をぐるりと回ってから西へと延びていくので、ほかの路線が届かない街にもアクセスできます。古い浅草線とは乗り心地の印象がまるで違い、端から端まで打ちきってみると、その環状の形を自分の指で感じられます。
都営は東京メトロとは別の事業者
実用上の要点はこれです。都営と東京メトロは別々の事業者で、運賃も別だということ。都営だけで完結する移動は一つの運賃で済みますが、東京メトロの路線に乗り換えたとたん、もう一つの初乗り運賃が加わります(事業者をまたぐ乗り継ぎ割引で少しだけやわらぎます)。一日じゅう両者を行き来するつもりなら、両方をカバーする共通パスがこの悩みをまるごと解決してくれます。くわしい違いは都営地下鉄と東京メトロの比較を、地下鉄とJRの比較は東京メトロとJRの違いをご覧ください。
都営の路線を自分で打ってみよう
都営の4路線を覚える一番の近道は、その路線に沿って列車を走らせてみることです。Tokyo Rail Typingでは、路線・出発駅・進行方向を選び、駅名を打ち込むことで列車を進めます。走り終えるたびにタイム・CPM・WPM・正確率・駅ごとのスプリットが表示され、A・I・S・Eの文字が自然と記憶に残ります。
まずは空港につながる浅草線から始めて、深い大江戸線に潜り、それから三田線と新宿線を打ち比べてみてください。どれか一つを終点から終点まで打ち抜けば、たいていの旅行者よりずっと都営地下鉄にくわしくなっているはずです。
