日本語をキーボードで打つとき、多くの人が一度は「かな入力とローマ字入力、どちらを選ぶべきか」と迷います。方法は大きく二つ。ローマ字入力(ラテン文字で「sakura」と打ち、IMEが さくら、そして 桜 へ変換する方式)と、かな入力(JIS配列で1キーに1つのかなが割り当てられ、直接かなを打つ方式)です。最終的に打ち上がる日本語は同じでも、そこへ至る道のりはまるで違います。この「かな入力 ローマ字入力 違い」を、正確かつ公平に整理してみましょう。
ローマ字入力:ラテン文字で打ち、IMEに変換させる
ローマ字入力は、日本国内でも海外でも、圧倒的に主流の日本語入力方式です。ふつうのQWERTYキーボードでヘボン式のつづり――「shinjuku」「tokyo」「sakura」――を打つと、IME(入力方式エディタ)がそれをひらがなへ変換し、スペースキーとEnterで確定する漢字候補を出してくれます。
利点は明快です。英語のタッチタイピングができれば物理配列はそのまま使えるので、新しく覚えるのは「つづりとかなの対応」だけ。この対応は小さく論理的なので、学習者でもほぼすぐに実用レベルで打てます。追加で買うものもなく、現代のOSに標準搭載されたIMEがあれば十分です。
代償は打鍵数です。ほとんどのかなは2文字前後を要し(か=「ka」、しゃ=「sha」)、同じ文章でもかな入力より押す回数が増えます。多くの人にとってこの差は体感できないほど小さいものの、理論上の速度の上限を決める要因ではあります。
かな入力:1キーで1つのかな
かな入力はJISかな配列を使い、約50個のキーそれぞれに特定のかなが割り当てられています。「か」のキーを押せば か が出る――1打鍵で1文字、ラテン文字からかなへの変換はありません。漢字を選ぶスペースキーは押しますが、かなを入力する段階そのものは限りなく直接的です。
最大の強みは効率です。1文字あたりの打鍵が少ない=指の移動が少ないため、速記者や文字起こしのプロ、長年の事務職といった高速・職業タイピストの中には、かな入力を愛用する人が少なくありません。最大の弱点は学習コストです。QWERTYとほとんど共通点のない大きな配列を、シフトが必要なかなも含めて丸ごと覚える必要があり、その投資が実を結ぶまでには数週間から数か月かかることもあります。海外のキーボードにはかな刻印がないものが多く、ソフトの初期設定がローマ字前提のこともあり、可搬性でも劣ります。
かな入力とローマ字入力、どっちが速い?誰が選ぶべき?
「かな入力のほうが速いのか」――純粋な打鍵数ではその通り、かな1文字あたりの押下は少なくて済みます。しかし現実のタイピング速度は、理論上の最小打鍵数よりも、練習量・慣れ・ミスの少なさにはるかに左右されます。実際、最速クラスのローマ字入力者は、キーボードに費やした時間の力だけで大半のかな入力者を上回ります。かな入力は「魔法のアップグレード」ではなく、専門家向けの最適化と捉えるのが正確です。
目安はこうです。日本語を学習中の人、海外在住の人、複数言語を打ち分ける人には、現実的な選択肢はローマ字入力。日本語をほぼ専門に打ち、タイピングが仕事で、新しい配列の習得に時間を投資できる人なら、かな入力はキャリアを通じて配当を生みうるでしょう。
IMEの漢字変換に邪魔されず、かなの読み書きを練習する
どちらの方式を選ぶにせよ、土台となる力は同じ――音とかなを瞬時に結びつけることです。Tokyo Rail Typingのかなモードは、まさにこれを鍛えます。ふつうのキーボードでローマ字を打つと、駅名表示が1文字ずつかなで埋まっていき(「shi」と打てば し が現れる)、IMEの漢字変換が割り込んでリズムを崩すことがありません。本格的な入力方式に踏み出す前に、かなの認識をきれいに反復練習できます。
まずは山手線を1周、かなモードで走ってみましょう。手元にはヘボン式ローマ字早見表を。さらに詳しくは、ゲーム内の3つのタイピングモードやローマ字・かな・漢字の比較もどうぞ。かなが体に入ったら、路線を選んでさっそく打ち始めてください。
