Rail Typing はずっと一つのことをするサイトでした。路線を選び、駅名を打ち、自分のタイムを更新する。そこに新しく4つのページが加わりました。理由は単純で、路線を1周する形式では次の3つのごく普通の疑問に答えにくいからです。自分は日本語をどのくらいの速さで打てるのか、どのかなでいつもつまずくのか、そしてこのゲームはどの綴りを受け付けるのか。

それぞれ何をするページで、どんなときに使うのかを紹介します。

30秒で終わる日本語タイピング測定

日本語タイピング測定は、ゲームからレース要素を取り除いた素の形です。30秒か60秒を選び、駅名だけにするか短い車内放送文にするかを決めて、あとは打ち始めるだけ。計測はボタンではなく最初の1打から始まるので、「測ろう」と思ってから測り始めるまでの無駄がありません。

終了すると WPM、CPM、正確率、文字数、ミス数が出ます。保存も送信もされず、ランキングとも無関係です。競争ではなく、ものさしです。練習を始める前に一度測り、2週間後にもう一度測ると、その2つの数字には意味が生まれます。

ローマ字モードならローマ字表記が表示されて1文字ずつ埋まっていくので、日本語の知識がなくても使えます。かなモードは同じキーボードで同じローマ字を打ちますが、1拍ごとに表示がかなで埋まっていきます。指がすでにやっていることを、目で読み始めるための仕組みです。

かなを1行ずつ潰していく

測定で「遅い」と分かったら、直す場所がかなタイピング練習です。あ行からわ行、濁音・半濁音、拗音、外来音の組み合わせ、小書きのかなまで、1セットずつ提示され、グリッドが進み具合を表示します。

行の選択と練習の進み具合を表示するかなタイピング練習

1行を無意識に打てるようになってから次に進むほうが、五十音表全体に練習をばらまくより効きます。ここで扱う行はゲームの入力エンジンから生成しているので、練習する綴りがそのまま受け付けられる綴りです。小書きのかなの l / x 形式も、長音符「ー」の半角ハイフンも含めてです。

この練習はあえてローマ字入力専用にしています。日本語IMEを有効にするとかなが変換されてしまい、「かなを直接打つ」という練習の目的そのものが失われるからです。

手書きではなく生成しているローマ字対応表

ローマ字入力の綴りは一通りではありません。多くのIMEが同じ拍に複数の綴りを認めており(し なら shisici)、本ゲームも同じです。ローマ字入力対応表は、エンジンが知っているすべてのかなについて、その全部を並べたページです。

かなごとに受け付ける綴りを生成したローマ字入力対応表

ブックマークする価値があるのは作り方のほうです。表はページを描画するたびにゲームのトークナイザーが生成しているので、人手で保守する写しが古くなるということが起きません。ここに載っている綴りは必ずプレイ中も通り、プレイ中に通る綴りは必ずここに載ります。

これが一番効くのが、みんなが間違える2つの規則です。小さい「っ」は次の子音を重ねるので っか は kka、っち は cchi。ただし ltuxtu に続けて拍を打つ明示形も使えます。そして「ん」が n 一文字で済むのは、次の拍が n・y 以外の子音で始まるときだけです。んば は nba ですが、んあ は nnaxna であって na にはなりません。ページはこれを文章で主張するのではなく生成した実例で示していて、だからこそ正確です。

表よりも理屈から読みたい場合は、ヘボン式ローマ字早見表が同じ範囲を解説記事として扱っています。

実際にどのかなを外しているのかを見る

これはアカウントがある場合のみ動きます。プレイ履歴を読むためです。プロフィール弱点タブを開くと、2つのリストが出ます。時間とミスを一番奪っている駅と、いちばん頻繁につまずいているかなです。

2つめのリストが何であるかははっきりさせておきます。ゲームが記録しているのは駅ごとのミス数であって、キーごとではありません。そのため各駅のミスを、駅名を構成するかなに打鍵数の比で振り分けています。つまり推定値であり、ページにもそう書いてあります。数百区間ぶん貯まれば十分に信頼できる推定になるので、正直なことが言えるだけのデータが揃うまでパネルは空のままです。

そこから弱点特訓が、苦手なかなを多く含む駅名でルートを組み立てます。いま遊んでいる路線に限らず、収録路線すべてから選びます。しゅっぽ が弱いなら、それだらけの1本ができあがります。特訓は練習専用で、ランキングにも送られず、自己ベストにもならず、スタンプも解除しません。安心して失敗できます。

ここでの WPM が、あちらの WPM と同じ意味である理由

全体を貫く制約を一つ決めてあります。どのページも速度と正確率を同じ関数で計算する、というものです。CPM は正しく入力した文字数を経過分数で割った値。WPM はそれを5で割った値で、5文字を1語とみなす一般的な換算です。これにより日本語のスコアが英語のスコアと比較できます。正確率は正打鍵数÷総打鍵数で、バックスペースは減点にならず、拒否されたキーは減点されます。

したがって、タイピング測定の WPM、山手線1周の WPM、ランキングの WPM は同じ測定値です。どこかのページの数字がよく見えるように係数を変えたりはしていません。

どこから始めるか

日本語を打ったことがないなら、ローマ字対応表を10分読み、かな練習であ行を潰し、それから30秒のタイピング測定を受けて基準値を作ってください。

すでに遊んでいるなら、まず測定を受けてゲームのリズムから離れた実力を確認し、次に弱点を見て、特訓に次の20駅を選ばせてください。

そして電車に戻りたくなったら、すべてが始まった山手線が待っています。